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チュートーの犬

「シェパードか?シェパードの子だな?」

後ろからそう声がした。

振り向くと、放浪画家・山下清画伯をずっと細くしたようなオジサンが、

ランニングシャツと生成りのハーフパンツで、ママチャリに乗っていた。

「シェパードだろ?」重ねて聞かれた。

あ、私に話しかけてたのね。

「シェパードの雑種で3歳なんですよ」と答えると、

「頭のいい顔してるな、うんいい犬だ。」と、親心をくすぐる。

犬と散歩していると、結構話しかけられる。

犬が好きだけど諸般の事情で飼えないから、撫でさせてとか…

そのオジサンは違った。ちょっと行きかけて止まり、

「チュートーには犬がいねぇんだってな」

違う話題を急に振った。

チュートー??あ、中東ね、犬がいないって?

私の中国人の生徒が犬を食べる話を思い出して、

「食用にしちゃうんですか?」と聞き返したら、

「違うよ、いねぇんだよ」

「軍の施設で3年働いた犬がよ…」と続ける。

たった今、犬がいないっていったじゃん。

禅問答なの?混乱しながら聞いていると、

「中東の軍の施設で3年働いた犬がよ、

お役御免になって日本に来たんだ。

でもよ、生まれてからずっと犬を見たことねえだろ、

中東には犬がいねぇからよ。

だから日本に来て犬を見るとビックリして、

わんわんわんわん、わんわんわんわん、吠えるんだってな!」

そう言うと、ママチャリにまたがって去っていった。

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